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床屋
私は生まれてこのかた、「床屋」にしか行ったことがないのでございます(ただし「床屋」というのはマスコミでは基本的に使えません。「百姓」と同じように差別的な表現らしく、本来は「理髪店」としなければいけないそうです。だけどここでは使います。別に悪い言葉じゃないし)。
学生時代は、パーマをかけるヤツもたくさんいましたし、パーマをかけなくてもカットを美容院でしてもらうヤツもたくさんいました。社会人になってからも同様です。長髪にしたこともございましたが、それは床屋に行く周期が1か月から3か月に伸びただけでありました(きたないだけ)。ま、なんか行く機会がなかったからなんですけどね。 最近は、1000円の床屋とか、大幅ダンピングの床屋がたくさんあるのですが、どうもいかんです。私は、古き良き昔の床屋がいいのでございます。髭をきれいにあたってくれるし、肩たたきや耳掃除もしてくれるしね。 今、通っているのがおそらく60代のおばちゃん2人の店なのですが、十数年前に引っ越して以来そこばかり。何もいわないでも「いつもどおり」にやってくれるので、安住しているというわけですが、散髪料金は3800円。このご時世ではちょっと高いかもと思いますが、まあ、だいたい月に1回ですから目をつぶります。 ところが数か月前、「ややっ」と思ったことがあったのです。 その日は経営者の「先生」がおらず、使用人のおばちゃんひとりでした(この人のほうが上手で、人あたりがよい)。いつも、やってもらっているときはうつらうつらしている私でございますが、珍しくおばちゃんと世間話などしていたのです。 すると、その経営者(先生)に、実は陰湿にいじめられている話を延々と始めたのでありました。はじめはぼんやりと聞いていたのですが、聞いてみると、どうもすごい話なんだよね(あまり、再現したくない類の話なのでその内容はここでは割愛)。 よほど聞いてほしかったのでしょうが、長くそこに通っているとはいえ、別に親しいわけじゃありません。人が良さそうに見えるだけ。 どうする、オレ? という感じ。 別にそのおばちゃんは嫌いではなかったので、いちおう好意的な態度で「たいへんだねぇ」と言いつつ、帰りしな「こういう話はあんまりしないほうがいいよ」と言って帰ったのですが、「なんだろう、あれは?」という気持ちは拭えません。仲悪くなさそうだったし(もっとも、私は勤め人時代に同じデスクのOL2人が仲良しだったと思いこんでいたら、犬猿の仲だったとあとで聞かされ呆然とした経験あり)、鈍い私には理解不能、というかこんなところでそういうことを考えたくない。 だけど、まだその床屋さんに行ってます。何も変わっていません。逆に、このあたりに住んでいる限り、その床屋が廃業するまで通おうかと思ったりする今日この頃なのです。 なんでかね。
by bay-hamakujira
| 2006-07-09 22:14
| 日常
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